プラチナブロンド

最近シャワーの後、髪をブローしていると
白いものがチラホラと出始めてきました。

「ほ〜う。とうとうおぬし達…出てきましたな」という感じ。

正直ちょっと嬉しい。

そんな話を
私よりちょっぴり年上の患者さんに話すと
「あのねぇ…先生はねぇ、まだ若いからそんな呑気な事を言ってられるのよぉ。
もう私なんか、毎月染めるのに大変なんだからぁ」と仰る。

しかし…
私のような若造が物申すのもナンですが
染めなければよいのではないでしょうかねぇ。

白髪…と思わず
プラチナブロンドのメッシュを入れたと思えば
それはそれでオシャレだと思うのですね。

カトリーヌ・ドヌーブやソフィア・ローレンなどの
ヨーロッパの女優サン達は
歳を重ねるごとに伴う肉体的変化と
上手に付き合っているように思います。

ソフィア・ローレンの100作目の主演映画の
『微笑みに出逢う街角』での彼女は
肌の染みもしわも白髪も隠すことなく
出演されていましたが
凛とした美しさがにじみ出て
その存在感たるや
観る者を圧倒させるものがあり
競演されている大女優サン達が
かすんでしまう程でした。

話がわき道にそれますが
私の大好きな番組で「美の壷」という番組がありまして
先日「漆器」の特集をやっておりました。

漆器といえば朱と黒がありますが
朱塗りの漆器について。

朱塗りの漆器の起源は縄文時代。

ウルシの木から出る樹液に辰砂(しんしゃ)という鉱石を混ぜ生成し
それを器に何度も塗ることで
あの気品に満ちた光沢のある赤い器が出来るわけです。

それを何百年も使っていると
表面の塗りがはげて
下地の黒がところどころ浮かび上がってくる。

これを「根来(ねごろ)」といい
その美しさは最高といわれているそうです。

素人が見れば「塗りのはげた古い器」ともいえなくもないその「根来」は
歳月が生み出した偶然の美であり
それは“古くなった”とは云わず
“新しい魅力が出てきた”物なのだそうです。

白髪から随分話がそれてしまいましたが
人間も漆器に似ていると思います。

「年をとった」「古くなった」と嘆くのではなく
それを自分の新しい魅力に変えられるように
歳を重ねていきたいと思います。

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昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

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