タクシードライバー

昔、金子マリという歌手がいまして
日本版ジャニス・ジョップリンなんていう異名を持っていた人で
私は大好きだったんですね。

当時のボーイフレンドが
「俺はどうも好きになれない」と、文句を言うわけですよ。

あまりにもクドクド言うものだから頭にきて
大げんかになり
春日部の道路沿いで車を降りて
1人で電車で帰ってきた事がある。

音楽って好みですからね。

好きになれないなら
それはそれで大いに結構ですが
何も“親の敵”みたいに
文句を言わなくてもいいと思う。

だいいち、お前
きちんとアルバムを聴いた事もないだろうよ!!という思いがした。

音楽というのは様々なジャンルがあるわけですが
食わず嫌いならぬ
聴かず嫌いってあるんだなぁ…と、思ったコトがあり。

文句ばかり言っていないで
一度はきちんと向き合って聴いてみると
ちょっとした発見があるんだなぁ…と、思った。

ファンの方には申し訳ないのですが
ちょっと私の方向性とは違うなぁ…と、昔から思うトコロがあり
アルバムを1枚ももっていないという…「中島みゆき」の件。

数々のヒット曲をちょっと耳にしても
「これは嫌いだな…」という感覚はなかったのですが
かといって、すごくインスパイアされる!という程でもなかった。

大ベテランでヒット曲を出し
根強いファンをもつ…例えばユーミンなんかと
同じくくりにしていたんですね…私の世代だと。

カラオケなんかでは唄うけど
アルバムを買ってじっくりと聴きこもうとは思わない…くくり。

ところが
先日、YouTubeで
マツコデラックスさんが
「自分をリセットしたい時に聴くのよね。
彼女の詩はすごく深いのよ」と、言う。

基本的に彼女の歌は
例えば恋愛でフラれタ女性が
モデルとなっているものが多いけれども
高校生レベルの恋愛の歌ではなく
もう、人生の歌なんだそうな。

一番のお気に入りは
「タクシードライバー」という。

番組で曲が流れる。

うんうん…これね…確かに中島みゆき節よね…。

そして詩が画面にテロップに映し出さされる。

じっくりと詩を読んでみたら
もう…ビックリした。

確かに深いなぁ…。


♬タクシードライバー 苦労人とみえて
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
天気予報が 今夜もはずれた話と
野球の話ばかり 何度も何度も 繰り返す♬


いやぁ…感心した。

例えば
失恋したり
仕事で失敗したり
人生は時に辛い事に遭遇する事がある。

そんな時にたまたまタクシーに乗り
窓ガラスから外の行き交う人達を見ると
皆、楽しそうに笑う姿が目に映る。

何だか、自分だけがとっても不幸で
孤独だなぁ…と、思うと
涙が出てくるわけですな。

タクシードライバーは
そんな後部座席に座るお客さんの心中を
何となく察するわけですよね…苦労人ですからね。

慰めて元気づけてあげたいのだけれど
不器用だから
気のきいた言葉が浮かんでこない。

そんな時に
「天気予報では晴れるって言ってたけど
雨だねぇ…」とか
「巨人が勝ったんですよねぇ…」なんて言って
彼なりに一生懸命、慰めるのね…不器用ながらもね。

涙を流す“自分”は
タクシードライバーのそんな優しさにふれて
ちょっと温かい気持ちになる…わけで、す、よ!!!

いやぁ…感心した!

中島みゆきってすごいわぁ…。

pagetop

昭和大橋歯科医院 Dr.chicoの日記

MENU

Calendar

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
<<前月 2013年08月 次月>>

New Entries

Mobile

Archives